悠久のシャングリラ


「そう。 そしてそのままーーー撃つ」


小さな振動とともに、
小気味よく響いた発砲音。

玉は見事、的のすぐ側に命中していた。


「おお! なかなか筋がいいな」

「というより。 ……ねぇ、鳳仙。
そんなに密着する必要あったの?」

「………」


ただ黙って、ニコニコ笑う鳳仙。

その笑顔がどこまでも清々しくて……。


「……やっぱり、なかったんだね……」


桜の呟きとため息に、
私までも脱力してしまった。



ーーそんな感じで特訓は続き、
ついに、実践を行うこととなった。

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