悠久のシャングリラ
彼に宿る大切な人
暗い廊下に響く、複数の足音。
私たちのものだとわかっていても、
不気味さが常につきまとう。
「きゃあっ」
地が揺れる呻き声。
間違いない。
この先に、あの化け物はいる。
私たちは身を寄せ合いながら、
ゆっくりと進んでいった。
もちろん前にも後ろにも、
私たちを挟む形で他のみんなもいる。
「緊張しなくても、
君たちは後方支援だからね」
「わ、わかってるわよ!」
「それから、鳳仙。
君も武器を握っての実践は、
これが初めてなんでしょう?」
「そうだけど?」
「なら今回は、
君も後方の方が良くない?」
「……平気だよ。
イメージするのに、慣れてるから」
ポツリと鳳仙が言った、その時ーー。