悠久のシャングリラ
「出たぞ!」
藤の声で、私たちに緊張が走る。
今回は一体だけ。
この人数で戦うには、
多すぎるくらいだが、それがいい。
「さあ、桔梗ちゃん。
まずは君から攻撃してみろよ」
「わ、わかったわ!」
矢先が、しっかりと化け物の頭を捉える。
限界まで引き伸ばし、
つまんでいた指を話す。
「ギャアアッ!!」
断末魔の叫び声が、脳を揺らした。
「うっ、すごい声……」
矢は当たったものの、
この悲鳴のような声で身動きが取れない。
「はあっ!」
そんな中、
藤が化け物めがけて斬りつける。