悠久のシャングリラ


「娘さん! 今だ!」

「はい!」


握っていた拳銃を持ち上げ、
狙いを定める。


そしてーー。


また地響きのような絶叫とともに、
化け物は空間へと
揺らめくように消えていった。


「や、やった……の?」

「桔梗! やりましたね!」


嬉しくて、ぴょんぴょんと跳ね上がる。

桔梗はそんな私を呆れながらも、
優しい目で見つめていた。


「あ! 見て、あそこ!」


桜が指さした方向。

そこには、ステンドグラスの欠片が。


「化け物退治も無事終わり、
欠片まで見つかるとは。 万々歳だな」

「ああ、ほんとにな!
早速持って帰ろうぜ!」


鈴蘭が欠片に近づいていく。

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