悠久のシャングリラ
「あれ? 開かない……」
「もしかして……
ボクが本の位置を変えたから……、
ドアが開きにくく……なったのかも……」
そう言って、
睡蓮も手伝ってくれることに。
「もう、少しで……、
開きそうです! ーーうわっ!」
「っ、百合!」
空いたと思ったドアが突然外れ、
手を引っ張ってくれた睡蓮も巻き込み、
部屋の中に転がり込んでしまった。
「い、いたた……」
頭をどこかでぶつけたのか、
たんこぶが出来てしまいそうなほど、
ズキズキと鈍い痛みが走った。
「……大、丈夫?」
「は、はい。
……あの、どこにいますか?」
暗闇に目が慣れなくて、
周りが何も見えない。
声は近くに感じるのに、
動けないせいで、身動きも取れなかった。