悠久のシャングリラ


「……下に。
百合の下に、いる……」

「え!?」


驚いて、顔を下に向けるーーと。


「……す、睡……睡蓮っ!」


目と鼻の先に、睡蓮の顔が。


「わっ、す、すぐ、すぐどきます!」

「…いいよ。 このままで」


手首を掴まれ、
もともと近かった体が、更に近づく。

前髪で隠れていた瞳が、
澄んだ色をして現れた。


「こうしていられるの、
多分、結構幸せなことだし」

「……あ、あれ?
睡蓮、話し方が……」

「ん? ああ、ボク元はこういう話し方。
さっきまでのボクは……、
今は考えなくていいよ」


悲しそうに笑う睡蓮。

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