悠久のシャングリラ


「百合ちゃんと二人っきりだったんだろ?
何話したんだよ!」


ニヤニヤしながら聞く鈴蘭。

それに対して、
睡蓮は前髪で顔を隠して。


「………な、何も……」


と、小さく答えた。


「はぁ!? オマエ、二人っきりだってのに
何もなかったのかよ!?」

「………うん」

「本当に?」

「………本当に」


場を切り替えるため、
桜がパンパンと手を叩いた。


「やっと全員揃ったことだし、
クイナがやってたみたいに入れるよ?」


タマゴ型の置物に、
新しくステンドグラスの欠片をはめ込む。

前と同じように、スーッと消えていくーー。

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