悠久のシャングリラ
『えへへ。 うたってくれたら、
教えてあげる!』
『はぁ?』
『ねぇ、ダメ?』
男の子は、うっ、とたじろぐ。
けれど何を思ったのか、
突然ニヤリと笑った。
その顔が誰かととても似ていて、
思わずじっと見つめる。
けれど結局、誰かはわからなかった。
『ここまで登ってこれたら、
オマエにおしえてやってもいいぜ!』
『え~、むりだよ!』
『なら諦めるんだな!』
『………』
しばらく男の子を見つめ続ける女の子。
すると、ハッと閃いたように、
タンスの引き出しを開け始めた。
『は? おい、何してんだ!?』
その言葉を無視して、
タンスの階段を作り上げるとーー。