悠久のシャングリラ
(え! あ、危ないです!)
器用に手と足を動かして上り。
『っしょ、と~ちゃくっ!』
スルスルと
上がって行ってしまった。
『……マジかよ……』
『はい、約束通りうたって?』
男の子は頭をガリガリ掻くと、
覚悟を決めた風に目を瞑りーー。
『~♪』
また綺麗な声で、歌い出した。
少し頬を染めながら歌う姿が可愛らしくて、
微笑みが自然と浮かんでくる。
ーーそして、景色は遠ざかっていく。
もう、夢から覚める時間だった……。