悠久のシャングリラ
「おはようございます。 鈴蘭」
「おはよ。 朝一番にオマエの顔見れるなんて、オレってすんげぇラッキーかも!」
「ちょっと待ちなさいよ!
さっきのどういう意味!? 状況って?」
私たちはお互い目を合わせーー。
「桔梗ちゃんが、
藤を襲ってるように見えるんだよ」
「な!?」
「……つっても、
そういう雰囲気もねぇし?
すぐに違うとは思ったけどなぁ」
腕を頭の後ろにやり、
そのまま階段を降りていく鈴蘭の後に、
私も続いた。
「……どうして、藤の服を
桔梗が脱がせている状態に……?」
聞いてもいいのかと思いながら、
結局は好奇心に負け聞いてしまった。
「ち、違うのよ! こ、これは、その!」
慌てふためく桔梗に対しーー。
「お、落ち着いてくれ。
……俺から説明しよう」
そう告げてから、
ゴホン、と藤が一つ咳払いをした。