悠久のシャングリラ


「実は、今回俺が見た夢に、
小さな女の子と男の子が出てきてな」


めくれあがった服を整え、
前のボタンをしめる。


「その中で男の子が女の子を庇って、
怪我をしてしまってんだ……」

「その時の傷があるかどうか、
確かめていたの」

「……は? おい、まさか……」

「ええ、あったわよ。 右肩の少し下に。
ーー夢で見た場所と同じだったわ」


桔梗が伏せ目がちに呟いた。

けれど私には、何を言っているのか、
さっぱりわからなくて……。


「えっと……
つまり、どういうことですか?」

「わからないか?
俺たちは、同じ夢を見たんだ」

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