悠久のシャングリラ
「? 鈴蘭?」
「なぁ。 百合ちゃんの夢は、
どんな感じだったんだ?」
「私のは、歌ってる男の子が出てきて、
その歌を綺麗だねって褒めてる夢でした」
一度見た夢は、
過去のピースがはまるように忘れない。
今回も、聞かれてすぐに答えられた。
「……やっぱり。 オレと同じだ」
その呟きを、
みんなは逃さなかった。
「これで決定的だね」
「ああ。 だが、ここにいる全員が
知り合いなのかはまだわからないな……」
「……それも、今は、だと思う……」
「うん。 このまま欠片を集めていけば、
おれたちがどういう関係なのか、
それも含め全部わかる」
なくした過去の記憶を見せてくれる欠片。
このまま行けば、
きっと私たちは全てを思い出すだろう。
ーーそれが良いことなのか、
悪いことなのかも知らずにーー。