悠久のシャングリラ
「我が主。 聞こえていますか?」
右手をそっと近づけ、触れる。
「主ちゃん。 聞こえていますか?」
左手をそっと近づけ、触れる。
冷たい感触のガラスの先に、
彼らの【主】はーーーいた。
ふわりと香り漂う花に包まれ、
水の中で安らかに眠っている。
その様子は、
誰もが息を呑むほど神秘的だった。
「主ちゃんは今、幸せですか?」
「我が主は今、幸福ですか?」
二人の声に応える者は……いない。
がっかりしたような、
安心したような気持ちになりながら。
二人は一瞬で厳しい顔に切り替わった。