悠久のシャングリラ
「気づいていないとでも思いましたか?」
振り向き、
部屋に一つだけある扉を睨みつける。
ギィィと鈍い音を立てながら、
ゆっくりと押し開かれた。
「ーーでは、失礼するよ」
礼儀正しく一礼したあと、
顔を上げ、ニッコリと微笑む彼はーー。
「やはり、イーグルでしたか」
「もうその名は捨てたよ。
きみの【主】に出会った時にね。
ーーいや、きみたちの、と言うべきかな」
「相変わらず嫌味な男ですね」
「相変わらず嫌味な野郎ですね」
イーグルと呼ばれた男は、
花の蕾に向かって歩を進める。
すると、彼に向かって、
無数の木の枝が伸び、ーー襲いかかった。