悠久のシャングリラ
「ふふっ」
けれどそれすらも面白そうに、
イーグルは歩き続ける。
貫くはずだった鋭い枝は、
彼に近づくと爆発したように砕け散った。
「いきなり襲いかかるなんてひどいな。
ただ、挨拶をしにきただけだというのに」
「それ以上主ちゃんに近づくことは、
許しませんよ?」
「我が主を傷つけるようなら、
排除しますが?」
警戒態勢に入る二人にお構いなく、
イーグルはその場で蕾のガラスを見上げた。
「……きみたちの物語がどう終わるのか。
この目で、最後まで見届けさせてもらうよ」
それだけ言うと、
イーグルは小さな竜巻とともに消える。
「風のような人ですね」
「嵐のような人ですね」
二人は同時にため息をつき、
【主】の傍に寄り添い続けたのだったーー。