悠久のシャングリラ

私の肩に顔を埋めて、
後ろからしっかりと頭を包まれる。

抱きしめられている、というよりは、
まるで縋っていると言った方が正しかった。

彼の腕に力がこもる。


「……消えたかと思った。
また、オレの前から……いなくなったかと」


(また……？)


「……え……？
……いや、オレ何言って……」


言った本人も自分の発言に驚き、
次のときにはハッと我に返った。


「ーーっと。 わ、わりぃ！」

「い、いえ。 私が悪かったので。
本当にすみませんでした」


鈴蘭の行動に戸惑いながらも、
頭を下げる。

同じように、
隣にいた睡蓮にも頭を下げた。