悠久のシャングリラ
これ以上
藤を見つけてから、みんなと合流し、
私たちは白い部屋へと入った。
「謎の女の声……?」
みんながソファーに腰を下ろしたところで、
私はもう一度彼らに声の説明をした。
私以外にその声を聞いた者はいないらしく、
全員が訝しむような顔をしている。
「それで……その声はなんて?」
鳳仙に聞かれ、
記憶の糸を手繰り寄せる。
あの花の匂いを嗅いでから、
どうも記憶が曖昧で。
なんて言っていたのか、
思い出すのに時間がかかってしまった。
そして、なんとか手繰り寄せた
女の人の言葉を繋げるとーー。
「"これ以上"………。
たしか、"これ以上"だったと思います!」
そう告げると、
みんなは首をかしげた。