【完】好きだという言葉の果てに
いつもながら気の抜けた声のウエイトレスに注文をすると、寒そうにしている彼女へと手を差し出した。
それを嬉しそうに握り返してくれてから、そのまま向かい側ではなく、俺の隣に腰を下ろす。
「あったかいね…」
「あやめさん、冷た過ぎですよ。風邪、ひかないでくださいね?」
「うん。大丈夫。佳人くんから元気いっぱい貰ってるから」
「…なんですか。それ。あやめさんは最近口が上手になりましたよね?」
「そんなことないよ?ただ、佳人くんのことを真似してるだけ」
「…俺、そんな、ですか?」
「恥ずかしがり屋の割には。自分では気付いてないんだろうけど、相当くさい台詞いっぱい言ってると思うよ?」
「それは、まぁ…そうかもしれませんけど…」