【完】好きだという言葉の果てに

いつもながら気の抜けた声のウエイトレスに注文をすると、寒そうにしている彼女へと手を差し出した。


それを嬉しそうに握り返してくれてから、そのまま向かい側ではなく、俺の隣に腰を下ろす。



「あったかいね…」


「あやめさん、冷た過ぎですよ。風邪、ひかないでくださいね?」


「うん。大丈夫。佳人くんから元気いっぱい貰ってるから」


「…なんですか。それ。あやめさんは最近口が上手になりましたよね?」


「そんなことないよ?ただ、佳人くんのことを真似してるだけ」


「…俺、そんな、ですか?」


「恥ずかしがり屋の割には。自分では気付いてないんだろうけど、相当くさい台詞いっぱい言ってると思うよ?」


「それは、まぁ…そうかもしれませんけど…」

< 113 / 235 >

この作品をシェア

pagetop