【完】好きだという言葉の果てに
当たり前の事だけれど。
二人の距離が縮んでいく程、ボディタッチの回数も、その威力も増すわけで。
今も、四人掛けのテーブルでさもカウンター席にいるかのように隣り合って座り込んで。
恋人繋ぎした手からは、彼女の冷たい体温が俺の温もりで徐々に温まっていくこの状態を、どうすればいいのか考えてしまう。
ぴたり。
密着した半身は、軽い彼女の重みを感じて幸せ過ぎて動けないし…。
「ほんと、あったかいな…佳人くんて」
「あやめさん、好きですよ…?」
どうしていいのか分からない癖に、「好き」という言葉は次から次へと溢れ出ていくんだ。