【完】好きだという言葉の果てに
「ふふ…なんか、佳人くん、甘えてるみたい…」
ぽふん。
傾けられた首から、微かな香水の匂い。
それだけで、酔ってしまいそうなくらい、溺れてて。
「それは、あやめさんも同じでしょう?」
「そう、だね。なんか、二人とも今日はちょっとヘンだね…」
「そんなことないですよ…多分、これが普通なんじゃないかな…」
「普通?」
「えぇ。恋人、でしょう?俺達。そう、思ってるのは…俺だけ、ですか?」
「…そんなこと、ないよ?」