【完】好きだという言葉の果てに
そして、途切れる、ワンシーン。
ふっと、周りの音が消えて、俺は人目も憚ることなく、思い切り彼女の体を抱き締めていた。
「あやめさん…」
「よ、佳人くん?」
「あんまり、煽んないでください。ほんと、俺バカになりそう…」
「…ごめん、ね?」
「それ、なんでか分かってて言ってます?」
「…ううん」
「はぁ…いいんです。そういうあやめさんが、俺は好きで好きで好きで好きで…あー…もう…バカなんじゃん、俺…」
「そ、そんな事ないよ?佳人くんは頭良いじゃない…」
「や、もう、そういう次元の問題じゃなくて…なんて言ったらあやめさんは”うん”って言ってくれるんでしょうね?俺の気持ち、もっとちゃんと受け止めてくれるんだろ…」
「……」