【完】好きだという言葉の果てに

かさかさとプレゼントの包装を解いていく彼女。

その細い指が器用に動いていく様を俺は、本当にキレイだなと思いながら眺めてた。



「あ…これ!」


「はい。この前一緒に入ったアンティークショップのオルゴールです。なんか、あやめさんが手にしてる所見ていいなってずっと思ってて。あ、ウソじゃないですよ。それに…」


「それに?」


「…あんな歌詞付きのオルゴールなら、形として気持ちをちゃんとあやめさんに贈れるかなって…」


「佳人くん…」


「あ。メッセージカードは、家に帰ってからにして下さいね?今読まれたら、ちょっとマジで恥ずかしいんで…」




今更ながら、気障な事をしてしまったと、照れ臭くなってしまい、ガシガシ頭を掻いてそう言うと、



「ふふ。ありがとう。大切にするね」



と、また微笑まれた。
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