【完】好きだという言葉の果てに

そんな願いも虚しく、ぎゅっと突然抱き締められて、頭が真っ白になる。

この状況が上手く飲み込めない。



一体、何が起こっているの?


「采明…」


「ちょっ、は、離して!離してったら!」


「そんな声上げて、周りに迷惑だろ?」


「ちょっと、本当にふざけないで…っ」



ぐいっと背けていた顔を彼の方に戻され、キスをせがむように口唇を親指でなぞられた。
ぞわっと鳥肌が立ち、気持ちが悪くなる。



「や、やめ…」



そして、今にもキスをされそうになった時…。

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