【完】好きだという言葉の果てに

「あやめさん…」


「な、なに?」


「俺、また何度でも好きだって言います!諦めませんから!」


「ちょっ、ちょっと佳人くん?!」


それだけ言うと、彼女の言葉も反応も待たずに、その場を逃げるようにして走り去った。

どうしても、言いたかった。

自信がなくたって、彼女を好きな気持ちにウソはない。

それにもっと言えば、この膨らんだ想いは、絶対に甲斐さんには負けない。

それだけは、彼女に分かって欲しかった。
< 165 / 235 >

この作品をシェア

pagetop