【完】好きだという言葉の果てに
「あやめさん…」
「な、なに?」
「俺、また何度でも好きだって言います!諦めませんから!」
「ちょっ、ちょっと佳人くん?!」
それだけ言うと、彼女の言葉も反応も待たずに、その場を逃げるようにして走り去った。
どうしても、言いたかった。
自信がなくたって、彼女を好きな気持ちにウソはない。
それにもっと言えば、この膨らんだ想いは、絶対に甲斐さんには負けない。
それだけは、彼女に分かって欲しかった。