【完】好きだという言葉の果てに

トゥルル……



少しレトロさを感じさせる呼び出し音に、息を軽く飲んだ。


こんな時間に電話とか…俺、何やってんだ。
マジで、余裕無さ過ぎて、本当にヤバい。


『もしもし?』


四回目のコールで彼女の声が聴こえて、出て貰えた安堵感と共に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「あやめさん、こんな夜遅くにすみません…」


『大丈夫だよ?それより、どうしたの?』


寝ていたのか、微妙に掠れた声にドキドキと胸が高鳴ってしまう。
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