【完】好きだという言葉の果てに

「あ、ごめんなさい!謝りますから、切らないで…」


『くす。うーそ。切らないよ。で?どうしたの?』


「なんとなく、どうしても眠れなくて。ベッドで寝返りを繰り返してたら、あやめさんの声が聴きたくなっちゃったんです。こんな俺ってダメダメですよね…」


しゅんっとすると、耳元で彼女が鈴のような声で笑う。


『そんなことないよ?私も声聴きたかった。それに…』


___さっきまで逢ってたのに、もう、逢いたいよ…。



そんな風に言われたら、どうにかなってしまうのに。
彼女はそれを知らずに、いつでも俺の「スイッチ」を容易く押してしまうんだ。

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