【完】好きだという言葉の果てに
「あやめ、さん…」
『何回も言ってるけど、私の"彼"は佳人くんなんだから。もっと我がまま言って欲しいし…聞いてほしいな…』
「あやめさん、逢いたい…」
『うん…』
「逢って、抱きしめたい…」
『…うん…』
「寂しいです。ずっとあやめさんと一緒にいたい…」
こんな我がままが、通じるはずもないのに。
一度堰を切ってしまえば、出てくるのは夢物語にも似た想いばかり。
それなのに…。