【完】好きだという言葉の果てに



そう、くすっと笑って早口に呟く彼に、


「そんな事ないよ」と言い掛けると、スッとまた静かに彼の手がそこから離れていった。



それを寂しいと思った自分に動揺する。
思わず名残惜しいと、声を出してしまいそうになったくらいに。



今までだって、手ぐらいは繋いで来たっていうのに。


どうして。


どうして今日は、こんなにも胸がぎゅうっとなるんだろう?






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