【完】好きだという言葉の果てに
恐る恐る伺うように尋ねると、彼はちゃんと私と向き合って、頷いてくれる。
「はい」
「大学中で、皆がどんなウワサしてるかも、分かってるんだよね?」
「はい」
「じゃあ…」
何故?…とは口に出せなかったのは。
彼が泣いているように見えたから。
どうして、そんなに苦しい想いをしてまで、私を好きだと言ってくれるの?
これ以上、甘やかされたら…私の心が、グズグズに崩れ落ちそうだよ。