【完】好きだという言葉の果てに


そう、「本命」だと紹介された男に肩を抱かれて去っていく後姿を追い掛けられる勇気もなくて…。



慣れない大学のキャンパスの外で、ただ呆然と雨に打たれていた。


そんな時間が、どれくらい経ったのか。




すっかりずぶ濡れになった俺の傍に、つい、と人影が近寄って来た事に、すぐに気付く事が出来なかった。


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