【完】好きだという言葉の果てに

「せ、先輩?…その…あ、…あやめさん…って、呼んでもいいですか?」


「…え…?」


「あ。や、あの…ダメだったらいいんです…ごめんなさい。…何言ってんだろ、俺…」




私はそこで初めて、『そう言えば名前呼ばれてなかったっけ』と思い当たり、くすりと笑ってしまった。



だって、こんなにも距離が近付いて来たって言うのに、肝心な事はまだまだなんだ、と思ったから。
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