【完】好きだという言葉の果てに
「せんぱ…?」
「あやめ。あやめって呼んで?佳人くんになら、そう呼ばれてもいいよ?」
「あ?!あ、…や…め、さん…?」
「あーやーめ!」
「せっ、…や、あの…あや…あやめさん…」
「ん~…ま、いっか。暫くはそれで許してあげる」
「はい…!」
まるで、大きなわんこのようにパァッと微笑む彼は、本当に嬉しそうで。
私の方まで、なんだか浮き足出しそうなくらい、嬉しくなる。
そして。
自然に絡め直した指。
彼は少しだけ驚いているようだったけど…。
その指はとても熱くて、凄く心地良かった。