【完】好きだという言葉の果てに


「ううん。そんなことないよ?」


「…あやめさん、もしかして、…俺の事からかってます…?」


「なんで…?」


「…いえ、なんでもないです…。じゃあ、ここでこうしててもなんですし、映画館に向かいましょうか?」


「うん、そうだね。じゃあ、…はい」


「…へ…?」


そう言って、つい、と右手を差し出すと、ん?と顔を傾げる彼。


やっぱり、忠犬ハチ公を思い浮かべてしまうのは、私だけじゃないはず。

< 79 / 235 >

この作品をシェア

pagetop