【完】好きだという言葉の果てに
「ううん。そんなことないよ?」
「…あやめさん、もしかして、…俺の事からかってます…?」
「なんで…?」
「…いえ、なんでもないです…。じゃあ、ここでこうしててもなんですし、映画館に向かいましょうか?」
「うん、そうだね。じゃあ、…はい」
「…へ…?」
そう言って、つい、と右手を差し出すと、ん?と顔を傾げる彼。
やっぱり、忠犬ハチ公を思い浮かべてしまうのは、私だけじゃないはず。