【完】好きだという言葉の果てに
「手、繋いでくれるんでしょう?」
にっこりと微笑むと、彼は真っ赤な顔をしてから…自分の右手を口許へ持っていった。
「…うわー…俺、今すっごい顔緩んでて、かっこ悪…」
「そう?そんなことないよ?」
そして、少しだけ距離を縮めると悲鳴にも似た声を出して、小さく抗議してくる。
「~~~!!あやめさんっ!」
「うふふ。はいはい。佳人くんて、本当に照れ屋だよね。私も恥ずかしくなっちゃうんだからねー?」
「あ…あの…すみません」
「と、思うなら。はい。手、繋ごう?」
「…完敗です。…じゃあ、失礼しますね…」
「くすくす…何それー?」
私は、そんな神妙な面持ちで私の手に触れる彼に、笑いが堪えられなかった。