【完】好きだという言葉の果てに
めっ!と大きな瞳で言われては、忠犬の如く、OKが出るまで待つしか俺に術はない。
でも、真剣にフロアマップとそこにあったガイドを見比べている彼女は、多分、他の誰から見ても可愛くて。
長めのふわふわな髪に、ボルドーカラーのマフラーが巻き付いてる所とか、格子柄の少しだけタイトなスカートとか…もう、全部似合い過ぎてて。
ほら、向こうでチラチラと知らない男たちが、彼女の事を見ては何やらこそこそと話してる。