君(仮)

✣道中✣

【レイトside】

俺達が、セトルラ国を旅立ってから、少し時間が経った。

カルロスが言うには、霧の森に着くまでに、2日はかかるそうだ。

それにしても、この草原はすっごい綺麗だ。
この草原には道が何本かある。
人工的に作られたものだろう。

「おい、ちょっとそこの丘のぼろうぜ!」

「うん!景色がいいかも!」

二人で丘の上を目指して歩いた。
坂は緩やかで登りやすかった。
頂上にはでっかい木が凛々しく立っていた。

「わぁ!すごいね!」

「そうだな!」

ほんとに景色が綺麗で俺達はしばらく眺めていた。

「なぁ、ほんとに霧がこいな。」

「うん...」

その景色には、今、目指している霧の森とクアール国、いろんなところが見えた。

ここからでも、霧がどんなにこいか伝わってくる。

しばらく二人で静かに眺めていると、丘の麓の方から女子の鼻歌が聞こえた。

「♩~♬♬.•*¨*•.¸¸♩」

「ねぇ、レイト誰かな。」

「さぁ?」

すると、その女子は頂上まで上がってきた。

「あら!敵!」

彼女は、そう言うと弓を構えた。

「まって、違うよ!敵じゃない!」

「ならなんなの?」

「俺達は、旅人だ。危害は加えない」

「そう、わかったわ。所で、あなた達名は?」

彼女は、武器を下ろしながら言った。

「僕はカルロス!」

「おれは、レイトだ。」

「わかったわ、行き先はどこかしら?」

「えっと、霧の森だよ。」

「え!?行き先が一緒じゃないの!」

「え?なんで霧の森に行こうとしてるの?」

「え、そんなの決まってるでしょ、
助けに行くためよ。」

「だれを?」

「言ってもわからないと思うわ。」

「とりあえず、いってみて。」

「えっと、"リーナ"よ。」

それを聞いて、俺とカルロスは目を丸くした。

「え?セトルラ国のリーナ?」

「そうよ?」

「えっと、僕らリーナと幼なじみで。」

「え!!!??!!!」

「なんで、リーナを助けに行くの?」

「えっと、それはリーナがテレパシーで伝えてきたから。」

「そっか。やっぱり。」
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