大嫌いな兄とその仲間達
「神城さん、ちょっといいかな?」

ホームルームも終わり、織ちゃんと帰ろうとしたんだけど。

同じクラスの確かサッカー部の男の子が声をかけてきた。

『何?』

「ここじゃちょっと…。中庭にいい?」

「萌琉、校門で待ってるから。」

織ちゃんはさっさとかばんをもって行ってしまった。

あんまりしゃべったことないなぁ、とか考えてたら中庭についてて。

『内藤くん?』

「あ、あの…神城さん、立浪先輩とは別れてるんだよね?良かったら…オレと付き合ってくれない?」

立浪は綺羅の名字ね。

立浪(たつなみ)綺羅っていうの。

顔を真っ赤にして、告白してくれた内藤くん。

誰かと付き合って、綺羅を忘れるって考えも前は過ったことはあるけど。

私はもうロンドンにいくことにしたから。

その事を正直に伝えようって、口を開こうとしたら。

「誰が萌琉に告白なんてしてんの?」

…綺羅。

あれほど構うなっていってんのに。

「オレの妹に告ろうなんて、百年早いわ!」

面倒なのもいた。

「えっ、立浪先輩別れてますよね?女の人とっかえひっかえじゃないですか?口出す権利あります?」

剥きになってる内藤くんを、睨む綺羅の目。

恐い顔。

内藤くん強いなぁ。

いちお、東のトップの二人なんだけど。



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