大嫌いな兄とその仲間達
社会に出ました
あれから。

私は大学生になり卒業後、大手企業に就職している。

唯とは一年に一回だけ、ロンドンに来るからその期間だけ会っている。

相変わらず日本に帰ってこいとうるさいけれど、ガン無視で。

大人になったからか、前程イヤだとは思わなくなった。

こちらの生活に満足しているから、わざわざ日本に帰る必要性を感じないだけ。

綺羅にはいつまでも待ってると言われたけれど、もう連絡もとっていないし、会ってもいないから忘れてくれていると思う。

唯とはまだ仲良いみたいだけどね。

もちろん、日向や禅とも会っているみたい。

時々、唯との電話で名前が上がるから。

『はっ?出張?日本支社に1ヶ月もですか?』

「日本語できるからスムーズだし、よろしく。」

あっさり言ってくれる私のボス。

『いやいや、向こうは英語できますよね?!外資系に勤めてる位なんだから。』

「客はできないだろ。だから、これ決定!てか、イヤなの?キョウダイいるんだろ?」

あまりにも嫌がる私に、ボスは怪訝な顔を隠さない。

いーやーだーー!

「キョウダイんとこ泊めてもらうか?部屋貸りたほうがいいか?」

『絶対、貸りてください!それかホテル暮らしで!』

「わかった。じゃあ、ホテル1ヶ月とってやるよ。」

『ありがとうございます。』

良かったぁ。

唯んとこなんて、絶対相変わらずたまり場になってるはずだもん。

一緒に生活なんてしたくないわ。

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