大嫌いな兄とその仲間達
「萌琉…。それは無理だ。」

そう、無理なの。

じゃあ、私はあんた達の前から消えてやるわ。

そうすれば、拉致られることもないし、構われることもなくなる。

接触があれば、私がキツイのよ。

別れてから、何度他の女といる姿を見なきゃいけないの。

フラれたのは私なのに、いちいち構ってくるその神経が私には理解できない。

唯の妹だから。

幼なじみだから。

理由はいくらでもあるでしょうけど、じゃあ最初から付き合ってくれなくてよかった。

「最初から好きじゃなかった。」そう、そんな言葉でフラレる位なら。

綺羅に掴まれてる腕をおもいっきり振りほどく。

『触るな。』

牽制のセリフとともに。

悲しそうに私を見る綺羅。

そんな顔したいのは私でしょうが。

そのまま走ってその場から逃げ出した。

もう、無理だ。
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