世界でいちばんキミが好き。
「世界でいちばんニコが好き」
ほんとに、そう思えるくらい大好き。
「ふふっ」
「なに笑ってんの」
「天ちゃんってば、世界中のひととあったことないでしょ」
「だまって」
ニコのくちびるをふさいでやる。
ふだんバカなのに、こういうときだけかしこくなるのやめてほしい。
そっとくちびるをはなして、今度はニコのあたまをコツンとかるくたたく。
「さっきさ、中庭のあの子にヤキモチやいてたけど、
……俺のこと、好きなの?」
俺がそう言うと、ニコはパッと立ちあがる。
「あ、あれはヤキモチじゃないもん!ニコの天ちゃんを、とられたくなかっただけだから……」
それだけ言うと、ニコはあわてて空き教室をとびだしていった。
フッ……かわいい……。
「それが、ヤキモチって言うんだけどな……」
俺たちがつきあう日がくるのは、
そう、とおくはない。
……かも?(たぶん)
END〇