飼い主はイジワル先生⁉︎

前から歩いてくるのは、みいと加藤。みいは

オレに気づいて、少し下を向いた。

「荒井と加藤、仲よさそうだな。付き合って

るのか？」

胸の痛みに耐えながら、明るく振る舞って、

話しかけた。

「高木先生、こんにちは。オレたち付き合っ

てますよ。」

加藤はオレの隣に近づいて、「みいの隣はも

う、オレのものですよ。」そう呟いた。

前のオレなら、簡単に奪えたのに。今はもう

みいの視界にオレはいない。

学校祭の１日目が終わる頃、生徒はいつもよ

り楽しそうに学校を後にする。校内に生徒が

ほとんど居なくなり、数学準備室に戻ろうと

したとき。