おかしなお菓子
私の望み。それは、


別世界に行くこと。



未だに別世界に憧れている私にとっては、


まるで夢のようなお菓子だった。


だって、食べるだけで別世界に行けるのだから。


私は迷わずそれをカゴに放り込み、レジへと向かった。


レジは、とても遅く感じた。


やっとレジが終わり、袋を受け取った瞬間、私は走り出していた。


行きとはまるで正反対だった。


体が軽く、とても早く走れた。


その結果、行きは10分くらいかかった道のりを、なんと、5分で帰ることができたのだ。
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