無限の愛☆永遠の想い☆
「緒方からよ。観月の携帯が繋がら
ないって私に電話してきたんだけど…緒方すごく心配してるわよ。」


あっ。携帯…タクシーの中で電源を切ったあの時のままだ…。


そう言えば…絢もそんな事を言ってたっけ…。


「大丈夫だと伝えて下さい。」


「観月.逃げちゃダメよ。
はい…。自分の口から言いなさい。席外していいから。」


そう言って三浦主任が自分の携帯
を渡してくれる。


「……すみません。」


私は携帯を持って非常階段へと急いだ。


大きく深呼吸する。


「……。もしもし.観月です。」


「楓!!大丈夫か!?」


斗侑真の焦った声…。


「…はい。」


うまく言葉が出てこない。


安心させてあげたいのに…自分は
大丈夫だと伝えたいのに…。


斗侑真の声を聞いた瞬間.涙が溢れた。


「本当か?あいつがこんな事まで
するなんて考えてもいなかった。
俺がちゃんと対処すればこんな事
にならなかったのに。ごめんな。」


「………ツッ…。」


「楓…泣いてるのか…?」


「いえ…。私は大丈夫ですから…。
わざわざ有り難うございました。
失礼します…。」


斗侑真の声が聞けた…。


今の私にはそれで充分だった。
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