こいぞら。
あさに。
ぱち、と音が鳴るようにゆっくりと目を開けた。
やっぱり、夢だった。
「ゆ~か~っ!準備出来てるの~っ?もうおばあちゃん家行くよ~?!」
「は~あいっ!」
だったらもうちょっと早く起こしてくれてもいいのに、とか、
いきなりかよ、とか、多少のイライラを感じながらも、私は支度をはじめた。
慌てて着替え、ドタドタと下に降りた。
「はやくしろよ、ほらこれ朝飯。食え。」
生意気な、と乱暴に受け取ったおにぎりは、なんというか...随分歪な形をしているものだった。
「...ぷっ、え?!中3にもなってこの出来?!」
「___ っ、馬鹿にするなら返せよっ、この!!!」
顔を真っ赤にしておにぎりを奪い取ろうと飛びつく。
「ああ~、ちょっと危ないじゃない!落っことすとこだったでしょお~??」
「うるせえよ!いらねーんじゃなかったのかよ?」
「ほーら、2人とももう行くわよ!」