こいぞら。
どてのうえ。ふたり。
土手の上に上がって、少し呼吸が楽になった頃、私は聞いてみた。
「えっと...生き返ったの?」
ぶっ、と飲んでいたコーラを吐き出しそうになった翔ちゃん(?)はむせ返った。
「オレ、翔じゃないから」
「え、でも___ 」
黒く少し長めの髪、福〇蒼汰クンにちょっと似てるよね、と女子にちょっと騒がれるほどの目鼻立ちの整った顔、__ さっきの、力強い手 ___。
「どっから、どうみても___ 」
「オレ、翔の双子の弟。」
ばっ、と不意をつかれたように顔を上げる。
私は、へえ~、そーなんだあーと言えるほど状況を飲み込めていない。
そんなの翔ちゃんから聞いてない。
それに ___ 、
「でも、でもさあ、おばあちゃんに __」
「ゆーーかちゃーーーん、しょうーーー!!!!」
「はいはーーい、」
ちょっとめんどくさそうに返事をして、行こっか。と私の手を引いた彼の顔は、
何だか少し、寂しそうだった。
その背中に、聞いてみたいことがある。
(ねえ、どうしてあなたのおかあさんまで『翔』って呼ぶの__?)