こいぞら。

なんで。



_____ 夜。星が降りそうな空を見上げる度に、うらやましく思っていた。


なんでかその小さい頃から見上げ慣れていた空を見ると、ほっとして、公園のベンチに腰掛ける。


家から徒歩3秒ほどの公園で、夜中に女が1人で何してるんだって?


___ だって、あんなことがあって眠れるわけがない。


翔ちゃんの手とそっくりだなんてドキドキしてる間もなく、おばあちゃんやお母さんの謎が浮上するし。


自慢じゃないけど私はそれほど頭がいいわけでも無い。



「はあ...。」



ずっと、ずっと会いたかったはずなのに。



会いたいよ、なんてもう想うこともできずに、もう一度空を仰いだ。
< 6 / 19 >

この作品をシェア

pagetop