こいぞら。
なんで。
_____ 夜。星が降りそうな空を見上げる度に、うらやましく思っていた。
なんでかその小さい頃から見上げ慣れていた空を見ると、ほっとして、公園のベンチに腰掛ける。
家から徒歩3秒ほどの公園で、夜中に女が1人で何してるんだって?
___ だって、あんなことがあって眠れるわけがない。
翔ちゃんの手とそっくりだなんてドキドキしてる間もなく、おばあちゃんやお母さんの謎が浮上するし。
自慢じゃないけど私はそれほど頭がいいわけでも無い。
「はあ...。」
ずっと、ずっと会いたかったはずなのに。
会いたいよ、なんてもう想うこともできずに、もう一度空を仰いだ。