私が貴方を好きになればなるほど貴方は私を嫌いになる
『有り難うね。』
ニコッと笑うルイ君のお母さんは
やっぱりどことなくルイ君にも似ていた。
『お礼したいんだけど、、どうしようかしら。今何も家にないのよねぇ』
独り言のように呟くルイ君のお母さんに
『あ、お気になさらず!大したことしてませんので』
慌ててそう答える。
早く、ここから去りたい。
ルイ君と鉢合わせしてしまう前に
なんとしても。
私の頭はそのことでいっぱいだった。
『あれ、、親父?』
その声に私の頭も体もピタッと止まってしまった。
『オーーー!ルイ!』
その声に振り向いた外人さん、、
ルイくんのお父さんは勢い良くルイ君に抱きついた。
よろめきながらも
ルイ君はふんばると"久しぶり"と笑い
嬉しそうだった。
こんな時にも私はふっと
笑顔がやさしくてカッコイイ、、なんて
思ってしまった。
そんな私と少し離れていたルイ君は
バチッと目があってしまう。