私が貴方を好きになればなるほど貴方は私を嫌いになる




ルイ君が私を好きでいてくれて
それでいてのキスならどれだけいいか。



どれだけ気持ちが楽でどれだけ嬉しいか。



でもそれはきっと無い。



『何でしたのかとか、、聞かないの?』



『、、、聞かないよ』



『そうか。』



それ以上ルイ君も何も言わなかった。



怖かったのもあるのかもしれない


聞いて、もし、


何となく。とか言われたらきっともっと
私は苦しくなる。



弱いけど、最低限の私の防衛だから。


だから今はこのままで。




最後にルイ君は"親父のことありがと"


少しぎこちない笑顔でそう言った。


私は早くルイ君から離れたくて
逃げたくてそれだけ聞くと家へと急いで帰る。



なんとも言えない気持ちが
どんどんどんどん溢れてきて

あの事があった後、初めて泣いてしまった。



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