私が貴方を好きになればなるほど貴方は私を嫌いになる
戻ってきたお母さんが今度はお皿を持って
戻ってきた。
机におかれたのはクッキー。
チョコチップが入ってたり、色々な形があったり
匂いからしてとても美味しそう。
『作ったの~よかったら食べて!』
『いいんですか?』
『もちろんよ!』
『いただきます』
そう言って1つ口へと運ぶ。
甘さが口全体に広がって
『美味しい』
とすぐ口にでてしまうくらい美味しかった。
『良かったー』
と前のめりになってたお母さんの体が
元の位置へと戻る。
手作りなんてすごいなぁ
前に1度挑戦したことがあるけど
その時真っ黒なクッキーが出来上がったことが
頭の中で思い出された。
横からルイ君の手も伸びてきて
次々に口に運ばれる。
『相変わらず好きね~』
その姿をニコニコと見つめるお母さん。
『ルイってね、甘いものが大好きなのよ』
私を向き直しそう言う。
チラッとルイ君を見るとピタッと止まった。
少し目が泳ぐルイ君は
沈黙のあと
『ん、、好きだよ』
そう言った。