私が貴方を好きになればなるほど貴方は私を嫌いになる



立ち上がるルイ君に私も慌てて立ち上がる。

お母さんは


『あ、じゃあクッキーよかったら持って帰って?』


と袋に小分けしたクッキーを持たせてくれた。


ありがとうございます


とお礼を言う。


ルイ君は玄関で靴を履いてすでに待っている。



怒らせたのかなぁ、、


なんて胸が苦しくなった。

お辞儀をした私にお母さんは
ポンと私の頭に手を置く。


そして少し小声で


『ルイのこと好きでいてくれてるのよね?』


そう聞かれる。


私は一気に顔が赤くなるのが分かった。
戸惑いながらも、1回、頷く。




『あの子意地っ張りなところあるからごめんね、でも女の子の前でいつものルイなのは初めて見たわ』


とニコっと微笑む。



『きっと、あなたは特別なのね』



そう言って来てくれてありがとうと
もう1回頭をポンとされた。


『まだ?』


と玄関から聞こえる声に
お母さんにもう一度お礼を言って急いで靴を履いた。


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